「隣の芝生は見ない~0から1を作り出すコツとは?~」株式会社リア・ステージ 古屋岳人さん【前編】
皆さんこんにちは。
今回インタビューをさせていただいた方は、株式会社リア・ステージの役員をされている 古屋岳人さんです。
古屋さんには、事業の立ち上げを通して得た学びから働くうえで大切にしていることやコツ等を伺いました。
古屋さんのインタビュー内容は、【前編】と【後編】の2つに分けてお届けしていきます。
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古屋さんのインタビューは、はせ、なほ、こーいちの3人が行ってきました!
コーチから学生へーそのままルールに乗って就活をすると思っていたー
内定者の段階でジョブコミットを立ち上げたとのことですが、きっかけや背景、印象に残っている事などはありましたか?
古屋さん:実は僕、高校を卒業して20歳くらいまでテニスコーチをやっていました。その後大学に行き直して、24歳で大学を卒業。そして、そのまま新卒就活のレールに乗って就活をするのかなって思っていたんですけど、あんまり就活に乗り気になれなかったんだよね。
そこで意識高い系の大学生として「起業するか!」みたいな方向に進んで。20歳のタイミングで起業しようと思った背景があったんだ。
実はテニスコーチを務めながら通っていた会社が潰れたんですよ。ある日会社に行ったら差し押さえ書とか張られていて。ガムテープでドアノブをガチガチにされているなんてまるでドラマのような光景ですよ笑。そこから給与未払いになって、会社を畳むことになったんだよね。
こういう経験を通じて会社経営の深層に触れることが出来て、24歳の時に「じゃあ、今度は俺が経営者側にまわっちゃるわ!」と思い、就活はほとんどせずに友達2人で営業とかをやりながら将来、営業会社を作ろうと意気込んでいたよ。
そんなときちょうどベンチャーのセミナーみたいなのが実施されていて、そこによく顔を出すようになりました。そこで自己研鑽しているうちに、リアホールディングスの社長と会うことが出来て「この人と一緒に仕事をしたい!」と思うようになり、また会話を重ねるに連れて考え方や人柄にますます魅かれていきましたね。
当時のリアホールディングスは「営業代行」の会社だったのですが、一日に500件とかコールするわけですよ笑。フレッ〇光回線安いですよ!みたいな感じで。 そして500件のうちつながるのは3件とかで笑。
太陽光のパネルなんかも営業していて、500万から1000万近くかかる大規模な案件でも飛び込み営業とかしていました笑。
つまり、当時のリアホールディングスは自社サービスを持っていないBtoCの営業代理店という立ち位置で、経営に左右されやすかったりとデメリットを多く抱えていた会社でした。
それではいけないと思い、営業代理店ではなく、BtoBの自社サービスでインフラ性が高い経営資源を構築していく中で会社を大きくしていきたいと考えていました。そこで当時考えていたビジネスが「人材サ ービス」であり、ここが僕とリアホールディングスが出会ったタイミングでした。
そこで生意気ながらも「新規事業を僕に任せてくださいよ!」と社長に話した結果「じゃあ任せるよ。」と事業を任せてもらえたことで、大学4年生の冬から新規事業を自ら手掛けるようになりました。僕としては当時から起業意欲や、新しいことを手掛けていきたいと意気込んでいたので、ガンガンやるようになりました。
これが起業のきっかけと背景です。
スタートアップベンチャーだからこその苦労もあった
古屋さん:あとは印象的なことですよね。うーん… いっぱいあるなあ…
それこそ失敗エピソードで印象的な事があります。
1つ目は、私たちは就活支援の会社なのですが、弊社で就活イベントを開催した時の話です。
そのイベントでは、企業さんを集めることはできたのですが、当日学生が全員ドタキャンしてしまい、企業さんはいるけど、学生ゼロみたいな状況になってしまいました。企業さんが来て、「あれ、50名くらい来るんじゃないの?」みたいな反応で、もうあの時間は地獄のようでした笑。
2つ目は、僕たちはスタートアップだったので、なんにもなかったことです。
普通の会社の営業では、名刺があって、先輩が同行して、資料もあって、営業の研修も受けることができる。また会社のブランドがあれば個人は知らなくても「ああ、◯社さんね」みたいな反応になる。それがなんにもなかった。当たり前だけどBtoBの営業もしたことがなかった。
だから訪問前日とかにネットで営業のノウハウとかをググって行ってました。でもそれがばれる と「愛」のあるご指摘を受けるんですね。気合は分かるけど、まだまだこういうところが甘いね。といった具合で。ビジネスとして素敵なアドバイスをくださったんだ。
その会社さんとは今でもお付き合いをさせてもらってるよ。
そして先程のイベントに呼んで学生がゼロだったっていう話ですが、あのときに謝罪した企業さんも、今でもお付き合していて「6年前は学生ゼロだったのに、今ではこんなに増えたなあ笑」みたいな話もします。
私たちの成長をお客さんも見守ってくれている。そんなところは印象的ですね。
先ほど、リアホールディングスの社長に魅力に引かれていったとありましたが、具体的に社長のどのようなところに魅力を感じましたか?
古屋さん:1つ目は、背が小さいけどオーラはあったよ(笑)
2つ目は、考え方が好きでした。営業系のベンチャーだと大体どこも「結果・実力主義」「裁量がある」といったところを口揃えて言いますが、社長はそんなことは言いませんでした。
結果主義にまつわる面白い例え話があって、それにすごい共感しました。
人はプロセスは大事だというが、結果が出ていない人のプロセスに正義はない。
スポーツでも同様。
結果をその年に一番出した人のキャンプの過ごし方や試合の望み方が正義である。結果を出している人の発言だから重みがあるわけです。3.4軍の選手の発言とイチローが同じ発言をしたとしても、イチローの発言の方が重みを感じます。イチローだからこそインスパイアを起こしたり、刺さったりする。そういった考え方を貫いているところが、僕が今までスポーツで積み重ねてきた価値観とかなり共感したところはありました。
実際に起業したいという想いからジョブコミットを立ち上げたと思うのですが、 サービスリリース前とリリース後の理想のギャップとかはありましたか?
古屋さん:結論から言うと全部です。
収入、やりがい、立場等やる前はいい部分をイメージしていました。軌道に乗ったらこのぐらい稼げるのではないのかと。しかし、いざ始めてみると教えてくれる人も、ノウハウも、お金もなかった。休みもない、契約も取れない、知名度もない、学生もお客さんも集まらない、無いものばっかりでした笑。
スタートアップではそれが当たり前の世界。冷静に考えてみると、無いものがすべて出来上がった理想の世界ばかりを追うのではなく、そのような何も無いという世界のイメージもしっかりするべきだったと思っています。
0→1を作りだすってイメージだと思うのですが、大切にしていたことやコツなどはありましたか?
古屋さん:「コツ」と「大事」にしていることは、実は違います。
「大事」にしなければいけないことで言うと「精神面」です。何も無い状態からのスタートなので、やり抜く力を持ち、自分を律さなければいけないとか隣の芝生を青く見ないとか、言い訳しないとか、そういうところからまず始めないといけません。
スタートアップはそういうところを大切にしなければいけない。ないものだらけなので、言い訳を多く作り出せる環境なのです。お金、お客、知名度もありません。他の会社は〇〇みたいな研修制度導入しているからとか、言い訳がいくらでも可能です。
それを防ぐために自分を律さなければいけません。何もないところから自分を律していかなければいけない辛さはありました。やり抜いていくことを大切にしなければ基本は大変だと思います。ITのように、何かをリリースして一気に跳ね上がるというわけではなく、人材ビジネスは労働集約型なので緻密にやっていくしかありません。やり抜くことは精神論になってしまうのですが、とても大切なことです。
「コツ」で言うと、とにかく「隣の芝生をみない」「人と比べない」ということを大切にしていました。さっきも言ったけど、言い訳をしようと思ったらいくらでも可能です。給料だって普通の会社に入っている人の方が高いし、休みだって多いし、知名度だって大きいし、比べたらすべてネガティブになります。だから、比べないっていう生き方を選択しなければいけません。
そのコツとしては、SNSを見ない、人の話をいい意味で聞かない、などです。人っていい話しかしませんからね笑。男は特に格好つけたり、話を誇張したりしますから笑。
それで仕事の生産性やモチベーションが下がるくらいなら「比べない」
僕はこれを大切にしてきたかな。
解釈を捨てろ
何もないところから始まるのは辛いと思うんですけど、自分を支えていた原動力のようなものはありますか?
古屋さん:いい質問ですね。
今の自分の状況をポジティブに置き換えると、まずそんなに辛いという解釈にはなりません。
20歳の頃に勤めていた会社は給与が未払いだったので、3か月間ただ働きでした。それに比べてジョブコミットを立ち上げようとしていたころは初任給程度のお金をもらいつつ、サービス立ち上げの機会も貰っていました。そう考えると恵まれているなあと思うことが出来ます。
あとはうちが得意としている文化があってその中に「解釈を捨てろ」という考え方があります。
辛い、大変、きついといった類は、その人による「解釈」になります。時間に対する考え方も同様で「あと5分しかない」と思う人もいれば「あと5分もある」と解釈する人もいる。会社のマインドセットとして、負の解釈を捨てろといったことは大切にしています。
話を戻すと、原動力という点では「人生って1回しかないじゃん」と常に心に刻んでいます。世の中というのは不平等な世界だと思います。生まれた瞬間から親、兄弟は違う。愛を注がれた時間は人それぞれ違う。学校の先生も同様。生徒によっては接してもらった時間は違う。会社の同期もそう。先輩と飯に行った回数、上司と話した時間。それぞれ違う。全部が不平等だと思います。しかしながら、唯一平等なのがあって、それは「時間」です。一度しかないその人生を、波乱万丈に、スリリングに生きていけるのは、よく考えてみると恵まれているからなのでは?人生一度しかないからなというのは、僕の中で常にある。そのようなことを昔から言われてきました。
その言われてきたっていうのは…?
古屋さん:ああ、親とか、部活の先生とかです。そのような発言をする人が身の回りに多かったです。
そして自分自身もそういった考え方の持ち主でした。考えが強くなり、常にそう思うような人になりました。
「やらないで後悔するより、やって後悔しようよ」とかってよく言いますよね。
それに近しいと思います。
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【前編】はこれで以上となります。
起業を考えている方にとっては特に企業の面白さやリアルを感じることができた内容だったのではないでしょうか?
次回は古屋さんのインタビュー後編となっております。
学生時代のお話から古屋さんが考えるこれからあるべき理想の就活について詳しく聞いてきました。
また就活生、ベンチャーを志している方に向けての熱いメッセージももらってきました!
次回のブログも盛りだくさんな情報でお届けしていきます。
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