「社長は格好よくない!?」アドバンサー株式会社 代表取締役 藤田純 【前編】
「Ad Venture」ではベンチャーや起業のリアルと魅力を伝えるため、19卒メンバーが実際に起業をした方にインタビューを行っています。
記念すべき一人目はアドバンサー株式会社代表取締役 藤田純社長。彼にそれらの魅力を伺いました。このインタビューは【前編】と【後編】の2記事に渡りお伝えしていきます。
起業のきっかけは 漠然としていた
-起業をしようと思ったきっかけは何ですか?ー
藤田:正直漠然としていた。起業すれば、何かを掴めるのではないかなと考えていたんです。当時は頭の悪い奴だったな (笑)。
そもそも、起業っていうのが2パターンあって、何かプロダクトを持って世に広めたいと考え起業するのがひとつ。もうひとつは、自分の描く世界を築き上げたいと考えるパターン。僕は後者であった。
ーいつ頃起業しようと思ったのですか?ー
藤田:大学を卒業する頃起業しようと思っても、9割8分は無理だなと思っていた(笑) それで普通に財閥系の大手会社に就職したんだよね。でも、そこでこんなにも自分にとってつまらない世界があるんだなと気づくことが出来たんですよ(笑) 残りの0.2割にかけて起業するしかないと思ったんだ。
当時は起業の知識なんて全くなく迷っていた頃、前職である株式会社ディ・ポップス(以下 D-POPS)の「起業家を応援します」というフレーズを見て興味を持ったんです。なぜかって、当時の会社は終身雇用の考えとかあるじゃないですか?そんな当時の流れだったので、珍しいと思ってここに入社を決意しました。それから8年くらいの月日が経って、その月日の中での風向きの変化が重なったときに起業をしましたね。
風向きが変わり起業へ
ー風向きの変化とは具体的にどういったものですか?ー
藤田:風向きの変化は具体的に3つあって、1つ目は当時 D-POPSが、売上100億円を達成した時、事業を多角化したい、グループ企業経営を行っていきたいと代表(現 D-POPSグループCEO)が言っていて、ここで起業家を応援しますといった流れが一気に出たんですね。
2つ目は営業、マネジメント、経営ノウハウなどを学んできて、今度は自分の力を試そうと思ったんだ。
最後は実家の父が経営していた会社が、父が高齢になる事から息子の私に引き継いで存続させるか、会社を畳むかの瀬戸際にありました。
ただ、そうなると、どこに行っても「ああ、藤田さんの倅ですね」と言われるわけですよ。ノコノコと戻って、また藤田の倅と言われるのが嫌だったので、父には「継ぎません」と断ったんです。そうしたら「わかった。もう俺の代で畳むから」と終始したわけですね。これが3つの風向きが重なり起業へと至った経緯かな。
ー起業してからのギャップや良かったことはありますか?ー
藤田:ギャップは2つあって、1つ目は
社長って格好よくないじゃん
ってところかな(笑) 全然凄くないし、むしろ下っ端もいいところ(笑) 新卒でやることより下の仕事をしなければいけなかったという現実とのギャップだね。2つ目は社長って誰でもなれるって思った(笑) 昔と違って今では資本金も少なくても誰でもなれるし、挑戦心のある人なら誰でもなれるからね。
良くなかったことは基本的にない。全部が全部良かった。その生き方を選択したのが良かった。
ー辛い事も経験してよかったということですね!ー
藤田:そうだね。でも、基本的にやっている時って辛いって思わないんですよ。後から振り返ってみて、すごいことやっていたんだな、自分ってなるんですよ。その瞬間は辛いと思っていないのですね。
関わる人の人生を180度変化するきっかけを創造する
ー企業理念である「関わる人の人生を180度変化するきっかけを創造する」という考えに至った経緯についてお聞かせ願いたいですー
藤田:これもなかなかこの理念に至るまでに時間がかかって、簡単に言うと8年かかったんですね。みんなも軸、ビジョン、志ってあると思うんですよ。それを上手く自分の言葉で人に理解されるように言葉にするのってすごい難しく8年間自分に問い続けて完成させたんですけど。
なんでそんなことがしたいのか、遡って考えてみたんですよ。人にきっかけを与えたいな。ガラっと変わってほしいな。そういった風に考えていって、今の企業理念に近づいていったわけなんですね。
高校生で音楽家を目指していた時期を思い返すんです。当時はなぜ音楽が楽しかったのか分からなかったんです。でも振り返ってみると、演奏を見に来てくれた人たちが感動した、といった感じで感想をくれるんです。自分の演奏によって、人の心をここまで変えられることが可能なんだなと。
今はこうやって格好よく言っていますが、当時はそんな風にボヤっと考えていたんだと思います。それを音楽以外の方法で何か形に出来ないかと考え、社会という経済の世界でそれを体現しようと本能的に考えていたのだと思います。そして最終的にあの言葉になったんです。
スタートアップベンチャーで新卒採用に決めた
ー新卒採用を始めたきっかけをお伺いしたいですー
藤田:これ一本で行こうとプロダクトを持っている会社ではなかったので、製品ありきの会社ではない。そうなると、何がこの会社の力になるかなって考えたときに「人」なのかなと。理念経営なのかと。
これからアドバンサーがやろうとしていることも含めて、色々な人にきっかけを与えるたくさんのプラットフォームを作りたい。それに賛同してくれるメンバーが必要だったんです。即戦力は必要なく、新卒のマネジメント、育成が得意だったので、新卒でいこうと決めました。
ー育てる力に自信があるからこそ、19卒の新卒2期生は人数が多いんですねー
藤田:それもありますし、我々はグループ会社なので、マネジメント術なんかも会社通しで精度を高めていくこともできますし、それを強みとしてますね
ー19卒の我々が持っておくべき志や目標はなんですか?また、今後アドバンサーで活躍するために必要なものがあれば教えていただきたいですー
藤田:そういう意味においては僕は自分よりも優秀な人を雇っているわけなんですよ。18.19卒もそうです。なんのためにそんなことをしているのか。僕は日本だけでなく、世界中に拠点を設けて色んなビジネスを行い、その拠点を集約したのがアドバンサーというプラットフォームであり、それを使って色々な国々のソーシャルビジネスに介していくっていう壮大な目標があるんです。
でも残念ながら私1人ではそれはできないし、私の脳のキャパも大きくないですからね。そうなると、得意のマネジメント術を使って自分よりも優秀な人に来てもらって、そのスケールや夢をかなえてもらいたいんですね。他力本願か(笑)。
まだ見ぬ領域に進んでいく。もちろん僕自身先陣をきってやっていきますが、僕一人でやっていては100年はかかるし、間に合わないんですね。そうなると全員の力が必要。みんなが持っている得意な分野を、自分の一手になるかどうか考えてみて、やってほしい。今日のこのインターン組のインタビューもその一歩であって嬉しい。
入社してからはある程度のことは準ずるようにやっていくが、それだけに準ずるのではなく、自分たちに出来ることを、アドバンサーのための一手と信念を持ってやっていってほしい。
常に絵を描き変えてきた
ーこのマインドなどを築きあげるきっかけ、自分を形成してくれることはありますか?ー
藤田:経営者としてのことはD-POPSで8年見てきたので、経営者とは何たるものか、それは側近で見てきました。また色々な経営者たちと話すことによってさまざまな価値観や運営方法を知ることが出来ています。
あとは書籍ですかね。簡単に人の感性が手に入りますから。奥さんがたまたまスピリチュアルな世界の人で、今流行りのマインドフルネスや、NVCや食育など、経営とは関係ない世界の人なんです。でも元々は企業戦士で、その話を家に帰ったらされるわけですよ(笑)結局は人の幸せを達成するという意味ではどこもゴールは一緒なので、その考えをアドバンサーに取り入れたりもしていますね。
起業した当初は世界に拠点を設けて100億を達成するという感じではなかったんです。常に絵を描き変えてここまでやってきました。
ー今までそういったものを描いていくうえで、影響を受けた人はいますか?ー
藤田:尊敬する人、模範する特定な人物をあげるのは難しいです。
というのも、様々な人を参考にしながらそれに自分のエッセンスを加えているので。
それが正直な答えですかね。
ー誰かに見習うよりも、ご自身の経験をもとにやってきたんですね。ー
藤田:こうなったらいいなっていうのを積み重ねている感じですかね。
会社で働いている時とかも、別に9時に来る必要ないなとかなんでみんな一斉にせーので仕事始めなきゃいけないんだろうとかも思っていたし、満員電車とかにさえ乗らなければ人ってもっと優しくなったりするんじゃない?とか思ってたり(笑)こういう風にすれば、より良くなるんじゃないかっていうのを積み重ねているんですよね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以上、【前編】はここまでです。
皆さんなりの有益な情報や新しい価値観・考え方はありましたか?
では、次回の【後編】は 12月4日 です!お楽しみに!
【藤田社長インタビュー】
文責:岡部
参加メンバー:長谷川、米山、岡部、髙橋
※アドバンサーのことをさらに詳しく知りたい方はこちらをクリック!
・HP
会社概要
社名:アドバンサー株式会社
英文名:Advancer inc.
代表取締役:藤田 純
資本金:20,000,000円
【 MAIN OFFICE】
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷1-12-2 クロスオフィス渋谷
【本社所在地】
〒152-0035
東京都目黒区自由が丘1-8-20 自由が丘 ビル 1階